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紀の国や 由良の湊に 拾ふてふ たまさかにだに 
あひ見てしがな          
                藤原長方

(きのくにや ゆらのみなとに ひろうちょう たまさか
 にだに あいみてしがな)

意味・・紀の国の由良の湊で拾うという美しい玉、その
    たまにでもいいから逢いたいものだなあ。

 注・・紀の国=和歌山県。
    てふ=「といふ」の縮まった形。
    たまさか=「玉」と「たまに」を掛ける。
    玉=美しい小石や貝殻。真珠。
 
作者・・藤原長方=ふじわらながかた。1138~1191。
    従二位権中納言。藤原定家の従弟にあたる。
 
出典・・新古今和歌集・1075。