隠りのみ 居ればいぶせみ 慰むと 出で立ち聞けば
来鳴くひぐらし
大伴家持
(こもりのみ おればいぶせみ なぐさむと いで
たちきけば きなくひぐらし)
たちきけば きなくひぐらし)
意味・・家にひきこもってばかりいて気が滅入るので、
気晴らしに外に出て耳を澄ますと、もうひぐら
しが来て鳴いている。
気晴らしに外に出て耳を澄ますと、もうひぐら
しが来て鳴いている。
作者の鬱情は、ひぐらしのもたらす気分の中に
溶け入り、心が澄みゆくのであった。
注・・いぶせみ=うっとうしい、はればれしない。
溶け入り、心が澄みゆくのであった。
注・・いぶせみ=うっとうしい、はればれしない。
ひぐらし=蜩。せみ科の昆虫。夏から秋の夕方
「カナカナ」と澄んだ声で鳴く。
作者・・大伴家持=大伴家持。718~785。大伴旅人の
長男。越中(富山)守。万葉集の編纂を行う。
出典・・万葉集・1479。
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