荒し男の いをさ手挟み 向ひ立ち かなるましずみ
出でてぞ我が来る
防人
(あらしおの いおさだはさみ むかいたち かなる
ましずみ いでてぞあがくる)
意味・・勇ましい男子が矢を手に挟んで狙いを定め、
ぴたりと引く手を止めるように、妻が諦めて
て鎮まるのを見はからって、私は防人にと出
かけて来ました。
諦めきれない妻がとうとう観念したので、防
人として旅立ちが出来たが、辛さは私も同じ
事だ・・。
注・・荒し男=粗暴な男、勇ましい男。
いをさ=狩の矢。
かなるましずみ=か鳴る間静み。騒がしい音
を静める。
出典・・万葉集・4430。
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