言にして いへば遥けし 眼にしみて 昨日かも見し
ことと思ふに
窪田空穂
(ことにして いえばはるけし めにしみて きのう
かもみし こととおもうに )
意味・・言葉にして言えば、それは遠い以前のことで
ある。今もはっきりと眼に残っていて、つい
昨日見たのでもあるかのように思われるのに。
遥か昔の事であっても、今もはっきりと思い
出す事があると詠んでいます。
注・・言にして=言葉、口に出して。
眼にしみて=はっきりと眼に残っていて。
昨日かも見し=「か」は疑問を「も」は詠嘆
を表す。つい昨日見たような。
作者・・窪田空穂=くぼたうつほ。1877~1967。早稲
田大学卒。早稲田大学教授。
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