寝ても見ゆ 寝でも見えけり 大方は うつせみの世ぞ
夢にはありける
紀友則
夢にはありける
紀友則
(ねてもみゆ ねでもみえけり おおかたは うつせみの
よぞ ゆめにはありける)
よぞ ゆめにはありける)
詞書・・藤原敏行が死んだ時にその人の遺族に贈った歌。
意味・・寝ても亡き人は夢に見えます。寝なくても面影は
目に見えます。よく考えてみますと、現実のこの
世は、夢のようなものと思うのです。
目に見えます。よく考えてみますと、現実のこの
世は、夢のようなものと思うのです。
この世は夢幻だという事を、体験を通じて詠んで
います。
眠っている時も起きている時も、変わる事無く亡
き友の面影が見えて来る。すでに、現実の人では
ないと思うと、現実に生きている者も、また同じ
く夢の中の存在だと思われてくる心です。
います。
眠っている時も起きている時も、変わる事無く亡
き友の面影が見えて来る。すでに、現実の人では
ないと思うと、現実に生きている者も、また同じ
く夢の中の存在だと思われてくる心です。
注・・大方は=たいていの場合は。一般的には。
藤原敏行=「秋来ぬと目にはさやかに見えねども
風の音におどろかれぬる」と詠んだ歌人。
藤原敏行=「秋来ぬと目にはさやかに見えねども
風の音におどろかれぬる」と詠んだ歌人。
作者・・紀友則=きのとものり。907年頃没。古今和歌集
の撰者の一人。
の撰者の一人。
出典・・古今和歌集・833。
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