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鳴き交わす こえ聴きをれば 雀らの 一つ一つが
別のこと言う
                  明石海人

(なきかわす こえききおれば すずめらの ひとつ
 ひとつが べつのこという)

意味・・病室から外に注意を払っていると、雀が飛んで
    来てピョンピョン跳ねながらチュンチュンと鳴
    いている。鳴き声を聴いているとそれぞれ違っ
    ていて、あたかも私に何か話掛けているように
    聞こえて来る。

    ハンセン氏病が進行して目が見えなくなり、そ
    の上呼吸困難のため、喉に吸気管を付けている
    状態です。ベットに静かに寝ていて外の様子を
    想いながら詠んだ歌です。

作者・・明石海人=あかしかいじん。1901~1939。ハン
    セン氏病を患い岡山県の愛生園で療養。手指の
    欠損、失明、喉に吸気管を付けた状態で歌集「
    白描」を出版。

出典・・歌集「白描」。