今もかも 迫戸の波にや 船はのりし さかづきゆれて
酒のこぼれる
石榑千亦
酒のこぼれる
石榑千亦
(いまもかも せとのなみにや ふねはのりし さかずき
ゆれて さけのこぼれる)
ゆれて さけのこぼれる)
意味・・潮汐の干満によって生じる激しい潮流がある。
今まさしく、瀬戸の激しい波に乗ったのであ
ろう。手に持つ盃が揺れて、酒が膝の上にこ
ぼれてしまった。
今まさしく、瀬戸の激しい波に乗ったのであ
ろう。手に持つ盃が揺れて、酒が膝の上にこ
ぼれてしまった。
激しい潮の音が聞かれ、また揺れる船の中で
悠然と盃を傾ける作者の丈夫ぶりが感じられ
ます。
悠然と盃を傾ける作者の丈夫ぶりが感じられ
ます。
注・・迫戸(せと)=瀬戸。狭い海峡。
にや=断定の助動詞「なり」の連用形「に」
と副助詞の「や」。・・であろうか。
にや=断定の助動詞「なり」の連用形「に」
と副助詞の「や」。・・であろうか。
作者・・石榑千亦=いしぐれちまた。1869~1942。香
川県琴平明道学校卒。
川県琴平明道学校卒。
出典・・歌集「潮鳴」(東京堂出版「現代短歌鑑賞事典」)
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