0166

訪へかしと 思へば人の 訪ひ来つつ 同じこころを
月に見るかな
                  橘千蔭

(とえかしと おもえばひとの といきつつ おなじ
 こころを つきにみるかな)
 
意味・・誰か訪ねて来てほしいものだと思っていたら
    友が訪ねて来た。自分と同じように美しいも
    のを愛する心のあることを、この月とともに
    眺めて知ったことである。

    近くに竹林があるのか、ススキが風でなびい
    ているのか、風雅の士で月を楽しんでいる姿
    です。

作者・・橘千蔭=たちばなちかげ。1735~1808。江
            戸町奉行の与力。加茂真淵に和歌を学ぶ。

出典・・家集「うけらが花」(東京堂出版「和歌鑑賞
    事典」)