命とて 露を頼む かたければ ものわびしらに
鳴く野辺の虫                 
                在原滋春

(いのちとて つゆをたのむ かたければ ものわび
 しらに なくのべのむし)

意味・・この露が命をつなぐ頼りの水だと思っても、
    それすらはかなく消えてゆく運命なのだか
    ら、野辺の虫がものさびしく鳴くのも当然
    である。
 
    物名「にがたけ(竹の一種)」を読み込んだ
    歌ですが、晩秋の悲哀感を歌っています。

 注・・命とて=これが命の綱だと。
    かたければ=難ければ、困難なので。
    ものわびしらに=なんとなく心細そうに。

作者・・在原滋春=ありはらのしげはる。業平(82
    5年生れ)の次男。

出典・・古今和歌集・451。