秋の野の くさむらごとに をく露は 夜なく虫の
なみだなるべし
                  曾禰好忠
               
(あきののの くさむらごとに おくつゆは よるなく
 むしの なみだなるべし)

意味・・秋の野のどの草むらにも置いている露は、夜
    ないた虫の涙に違いない。

    虫の鳴き声を悲しみの泣き声と聞き、露はその
    涙だと考えたもの。

 注・・なく=「鳴く」と「泣く」の掛詞。

作者・・曾禰好忠=そねのよしただ。生没年未詳。十世
    紀後半の人。中古三十六歌仙の一人。

出典・・詞花和歌集・118。