消えはつる 時しなければ 越路なる 白山の名は 
雪にぞありける
                  凡河内みつね

(きえはつる ときしなければ こしじなる しろやま
  のなは ゆきにぞありける)

意味・・あの山頂の雪が消えてなくなる時がないので、
    それで越国(こしのくに)の白山という名前は、
    雪にちなんだものだったということが分かった。
 
    夏になった今でも雪で真っ白になっている山を
    見て「あれが山の名前の起源だったのか」と大
    げさに感心してみせたものです。

 注・・時しなければ=「し」は上接の語を強調する副
     詞。時といものがないのだから。
    越路=越国(現在の越前・越後)の方面。
    白山(しろやま)=石川・岐阜の県境の白山(は
     くさん)2702m。富士山・立山と並び三大
     名山といわれている。

作者・・凡河内みつね=古今集の撰者の一人。

出典・・古今和歌集・414