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濁りなき 清滝川の きよければ 底より咲くと
見ゆる藤波
                壬生忠岑

(にごりなき きよたきがわの きよければ そこより
 さくと みゆるふじなみ)

意味・・濁りのない清滝川は、清く澄み切っているので、
    川面にゆらゆらと映っている藤の花房が、まる
    で川底から咲いたかのように鮮やかに見える。

 注・・清滝川=京都右京区嵯峨を流れる川。

作者・・壬生忠岑=みぶのただみね。920年頃の歌人。
    古今の和歌集の撰者の一人。

出典・・忠岑集(樋口茂子著「三十六歌仙」)