なけやなけ よもぎが杣の きりぎりす すぎゆく秋は げにぞ悲しき 曾禰好忠 (なけやなけ よもぎがそまの きりぎりす すぎゆく あきは げにぞかなしき) 意味・・さあ、思う存分に鳴けよ。蓬が杣のきりぎりすよ。 過ぎ去ってゆく秋というものは、しんそこ悲しい のだから、私も泣くからお前も鳴けよ。 注・・よもぎが杣=蓬が杣。蓬が生い茂って杣山のように なっている所。「杣」は「杣山」のことで、植林 した木を切り出す山の意。小さいきりぎりすから 見て蓬を杣山に見立てたもの。 きりぎりす=今のコオロギのこと。 作者・・曾禰好忠=そねのよしただ。生没年未詳。985年頃 曾禰好忠 の歌人。 出典・・後拾遺和歌集・273。 |
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